水平変位計測用
垂直変位計測用
サ イ ズ
70mm×25mm×8mm×2ヶ
65mm×50mm×65mm×2ヶ
サイズ(取付時)
119mm×25mm×8mm
130mm×50mm×65mm
重   量 15g 53g
部 品 数
主尺、副尺、3mmビス×2ヶ 主尺、副尺、3mmビスナット×2ヶ
材   質 透明アクリル
計 測 精 度 1/10mm
最 大 変 位 XY方向 ±10mm YZ方向 ±20mm
価   格 水平用・垂直用 各500円(税抜)
※仕様

水平変位計測用 垂直変位計測用
計測可能な動き 水平用 計測可能な動き 垂直用
計測可能な動き

取付方法
水平変位計測用 垂直変位計測用
商品内容
水平商品見本
商品には赤いゲージのスケール(主尺)と青いゲージのスケール(副尺)、φ3mm、長さ5mmのビスが2ヶ含まれています。
垂直商品見本
商品には赤いゲージのスケール(主尺)と青いゲージのスケール(副尺)、φ3mm、長さ9mmのビス2ヶとナット2ヶが含まれています。
組 立
水平組立1 水平組立2 水平アップ
  • 主尺(赤スケール)を下に副尺(青スケール)を上に重ねます。
  • ビスで仮止めをします。この時上下のスケールが自由に動かせるように軽く締めます。
  • スケールの真上から見て、赤線(基準線)が青線に隠れるように合わせます。(赤い目盛り線は見えます)
  • スケールが合えば、ビスを締め付けます。組立完成
垂直組立1 垂直組立2 垂直アップ
  • スケール印刷面が内側になるように置きます。
  • ビスナットで仮止めをします。この時左右のスケールが自由に動かせるように軽く締めます。
  • スケールの真横から見て、赤線が青線に隠れるように合わせます。(目盛り線は見えます)
  • スケールが合えば、ビスナットを締め付けます。組立完成
接着剤塗り
水平裏 水平接着剤
垂直裏 垂直接着剤

 スケールを裏向けにします。(文字が逆になる)
 接着剤を土手に塗りつけます。(ピンクの部分)
接着剤は市販のエポキシ系接着剤などを使用します。比較的粘度の高いものが扱いやすいです。

取 付
クラック幅 研磨
 ひびわれ幅を予め計測します
 被接着面を清掃研磨します。水分油脂があると接着不良になります。
水平仮止 水平取付完成
  • ガムテープ等でヒビミルがずれないように仮止めします。(この時ビスは付けたままです)
  • 接着剤が硬化したら仮止めテープとビスを外します。
  • 取付完了=計測開始
垂直仮止 垂直取付完成
  • ガムテープ等でヒビミルがずれないように仮止めします。(この時ビスナットは付けたままです)
  • 接着剤が硬化したら仮止めテープとビスナットを外します
  • 取付完了=計測開始

主尺と副尺の読み方
主尺と副尺の読み方

初期値と計時変位

  1. クラック幅の初期値はこの変位スケールで読むことは出来ません。あくまで計測を開始してからの計時変化を計測するものです。初期値幅はクラック幅スケールや、スケール入り拡大鏡による初期値幅の計測を行わなければなりません。
  2. 取付時に主尺と副尺がずれてしまった場合は、計測開始の初期値を0mmとせず、「主尺と副尺の読み方」に習い計測開始の初期値を記録する。
  3. 1ヵ所だけの計測点でクラック幅に変化が見られても、異常とは判定できません。計測点と計測回数を増やして建物全体の動きとしてクラック幅計測を行うことが有効な計測となります。
  4. 計測値は表-1のようなフォームで記録することにより、その変化を見ることが可能です。
  5. 表計算ソフト等を用いて作表やグラフ化すれば一層判定が明確になります。
クラック計測結果表

※ヒビミル参考資料:1

熱膨張に対する問題

 ヒビミルを取り付けたとき、温度変化により多少の膨張収縮が発生する。取り付け時には、0点設定が施されているため取り付け後の温度に対する熱変化を考えなければならない。コンクリートに直射日光が当たる場所は冬季でも表面温度は25〜35℃程度まで上昇する。また夏季では表面温度は45〜50℃程度まで上昇することがある。取り付けられたヒビミルの温度とコンクリート表面の温度は、比熱や熱伝導率等が関係して同一にはならない。さらにコンクリートやヒビミルが暴露状態にあることから風による熱損失も発生しヒビミル単独の温度がコンクリート表面温度との間に、どの程度の温度差が発生するかは、推測することが非常に困難である。ヒビミルの用途から考えて上記のような精度を必要とする計測器ではない。このことから通常では熱変化を考慮することは不必要と考える。

 ここで熱変化の試算を試みる。ヒビミルの熱変化は刻まれたスケールが2次元であることから線膨張を想定すればほぼ良いと考えられる。体膨張はこの場合考慮することはそれほど大きな問題ではないと考える。ヒビミルのスケールの中でも水平用スケールのX方向(ひび割れが広がる方向)に熱膨張の影響が現れる。他のスケールは膨張・収縮しても互いに消去しあう位置関係にある。
 温度はコンクリートやヒビミルの温度ではなく気温で試算する。
    設置時の気温:θ     計測時の気温:θ’
    熱変化の対象長さ:L   温度変化後の長さ:L’
    計測読み値:m      線膨張率:β
   L’=L{1+β(θ’−θ)}
 上部下部の両スケールの変化があることから変化量は2倍となる。
   2×(L’−L)=2Lβ(θ’−θ)=ヒビミルの変化量-----式1
 
 上記の式1から真の値が算出される。
      m+2Lβ(θ’−θ)=真の値

ex
    設置時の気温:θ=20℃     計測時の気温:θ’=35℃
    熱変化の対象長さ:L=24.5mm(固定値)  
    計測読み値:m=2.3mm      線膨張率:β=6×10-5(固定値)
    2.3−{2×24.5×6×10-5(35−20)}=2.344mm=真の値
           使用材料:アクリル樹脂=デルペット:旭化成工業(株)


 ※温度補正を行う場合は、設置時にヒビミルを取り付けた場所での温度計測をして下さい。また計測時にも同様の計測を行って下さい。 

※ヒビミル参考資料:2

段差がある面に対する接着

 接着面にすでに大きな段差が存在した場合、ヒビミルを直接接着できない。このときは図1のように市販の金属プレートやアクリル樹脂等により足を継ぎたすようにして接着する方法が考えられる。


            段差調整概要図
                 図1 段差調整概要図

亀裂巾が大きく接着できない場合

 亀裂巾が大きく、ヒビミルの長さが不足する場合がある。
このような時は、図2のように足を継ぎ足すことが考えられるが、プラスチック樹脂等では、膨張率の問題から誤差が大きくなる。熱膨張率の小さな材質のものを使用することが必要である。



            亀裂幅調整図
                 図2 亀裂幅の調整図

 熱膨張に関しては、「参考資料1」を参照。鉄の線膨張率=11.7×10−6、真鍮の線膨張率=16.6〜18.6×10−6、アルミの線膨張率=2.16×10−5、アクリル樹脂の線膨張率=6〜9×10−5。